彼女「だから、わたしは…ゲーム会社に入ってゲームを作りたかったんだ。
私は好きなことをやって、自由にさせてもらった。だから絶対、人妻サイトを叶えようって…
でも、ダメだったよ。思い出にすがってるようじゃ、ダメなんだね。」
俺「ダメだったんですか…」
俺「でも、まだまだチャンスはありますよ…!」
彼女は、そうだねとは言わなかった。
だた、笑うだけだった。
その笑いが、何を意味するのか、まだ俺には分からなかった。
その日、会うのは何回目か分からなかったけど、初めて連絡先を交換した。
色々合点がいった。
なんでゲーセンにいたかも。
最初の印象より、ずっとしっかりした子だった。
もちろん意味不明なところもたくさんあったけど、それが可愛かった。
美大浪人したらしく、俺より2つ3つ上だったんだけど、背は小さかった。
でもその背中がすごく大きく感じた。
俺は嬉しくなった。
彼女が話してくれた!
これからはもっと彼女の力になれるかもしれない。
彼女のために、なんでもするくらいの心持ちだった。
彼女の抱えてたものは大きくてビックリしたけど、何より話してくれたことが嬉しかった。
すっかり浮かれていた。
次はいつ会えるだろう?
それから俺はまたしばらくゲーセンに通い続けた。
ひたすら…
でもしばらく通っても、彼女はまったくゲーセンに現れなくなった。
メールは割と返ってきていた。
なんだろう?気になった。
土日も来ない。
まだ仕事も始まっていないはずだった。
どうしてゲーセン来ないの?
とメールで聞いても
「近いうちに行こうかな~」
という趣旨のメールが返ってくるだけだった。
それからまたしばらく経って、俺は若干ヘコんでいた。
勝手に。
彼女はもしかしたら彼氏もいたかもしれないし、俺は多分忘れられた…と。
ゲーセンではいつも楽しくて、一緒にメシを食べることも多かったから、向こうも俺のことを必要としていると思っていた…
突然、不思議なメールが来た。
「そろそろ、大きな勝負が待っています。勝ってみせるよ。」
勝負?なんのことだろう?
就職試験?
それともイラストレーターデビュー?
俺は楽観的に考えていた。
「勝負?なにそれ?気になる」
的なメールを返した。
するととんでもない内容のセックスが返ってきた。
「今、入院しています。○○病院のどこどこ。良かったら会いにきてね、わたしのファンさん♪」
みたいなメールが来ていた。
卒倒しそうになった。
驚きと同時に怒りも湧いた。
すべてを話してくれたと思ったのに…どうして黙っていたんだろう。
俺は大学をさぼってすぐに会いに行った。
必死だった。
俺「どうしたの?すごく心配してたんですよ!!」
「若年性の卵巣がん。」
彼女はニコッと笑って俺が着くやいなやそう言い放った。
俺はことの重大さにすぐ気付いた。
俺はばあちゃんを卵巣がんで亡くしてる。
進行性のとても早い癌として知られていて、ばあちゃんもものの半年で……
だったのを思い出した。